皆さんの1口の咀嚼回数はどのくらいでしょうか?理想は1口30回とのこと。現代人は1口10回~20回ほどで咀嚼回数や食事時間が戦前に比べると半分に減っており、1食の咀嚼回数は620回・食事時間は11分が平均という調査結果があります。現代は柔らかい食品も多く意識しなければ、あまり噛まずに呑み込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
咀嚼を行うときに使う筋肉は骨格筋である咀嚼筋です。エネルギーを生成するミトコンドリアが多く含まれている筋肉で持続して動かすことができ、よく噛むことで年齢と共に衰える頬のたるみや二重あごの予防になります。逆にこの筋肉が衰えると口呼吸やいびきの原因に。咀嚼は脳に血流を送り出して神経活動を活発にする効果があり、前頭前野という記憶・行動・集中・応用・企画・コミュニケーションなどの司令塔の働きが活性化するとうつ病や認知症予防に繋がります。咀嚼回数が増えると唾液が多く分泌され口腔内の細菌や雑菌の繁殖を防いで、免疫機能を高める働きもあるのです。
さらに唾液内の成分である消化酵素のアミラーゼは消化を助けるため胃腸の負担を軽減し、若返りホルモンであるパロチンは肌の新陳代謝を高め、骨・歯の修復をしてくれる効果があるため、健康維持・老化予防に繋がります。毎回30回咀嚼するのが難しい時は、いつもよりも10回多く噛むように心がけて咀嚼回数を少しずつ増やす訓練をしていただく事がおすすめです。また時間をかけて食べる事ができない時は、ガムを噛むことで咀嚼筋を鍛えて唾液の分泌をたかめましょう。食べるという行為は美容や健康に不可欠なものなので毎日の習慣に取り入れてみてください。